説18『漂泊者の楽園』 [天保異聞妖奇士]
さまよえる民に、里の民は憧れる。
それが「自由」なのだと信じて。幻影を抱いて。
一方で、山の民だったアビの姉のニナイは、ただただ、逃げ続ける、『どこにも居場所のない』暮らしから逃げたい一心で、異界へと誘われ…。
今が辛いのは、山の民も、里の民も一緒。
それでも、人は、他の者はより自由なのではないかと、その「自由」さに憧れてしまう。
けれど、アトルのように国そのものを奪われた者からしてみれば、
「どこにも帰る場所のない」ことは、絶望的な辛さ。
今週の、あやかしあやしは、自由に憧れて、でも、本当の「自由」などどこにもないのだと、つきつけるような話でした。
なんとなく、ふと思い出すのが、シムーン。
翠玉のリ・マージョンによって故郷を捨ててしまったアーエルとネヴィリルは本当に「自由」になれたのかな?
自由というのは、自分で何もかも責任を負わなければいけないということ。
人に縛られないかもしれないけれども、よりどころが無いということでもあるということ。
その厳しさと、辛さに、どれだけ人は耐えられるのか・・・・・・
異界の者と契り、子まで生み出したアビの姉ニナイの願いは、『呪い』だとアビは言う。
けれども、常に逃げなければならない者が呪いをかける気持ちも分からなくはない。
『そうした人々を救うために、私は、今まで学問を修めてきたのではなかったのか』
葛藤する小笠原のお頭の苦悩も、重くて、苦しくて。
本当に、自由ってなんなのでしょうね。
ニナイは、異界を楽園だと思って逃げた。
でも、きっとそこもまた自由ではなかったんでしょう。
自由を求めてさすらって、漂泊者に楽園はあるのでしょうか?
ひどく悩める話でした。
コンバンワ&初めまして^^
ブログに遊びに来てくださってありがとうございます♪
TBお世話になります^^
今回のお話は色々と考えさせられるものでした・・個人的に、ニナイにもう少し救いがあってくれれば、と思ってしまいました。「妖奇士」は毎回クォリティが高いですね~。
それだけに、打ち切りの話はガセであって欲しいのですが・・まだまだ奇士たちの活躍が見たいです~。
ではでは、また遊びに来ますね☆
by 竜也ん (2007-02-14 22:34)
こんばんは、こちらこそ、遊びにいらして下さって感謝ですv
そうですよね。今回のお話は…本当に、ニナイにもうちょい救いがあればとか、色々考えさせられてしまいました。
あやかしあやしは、毎回クオリティが高くて、だから、もう、打ち切りの話はガセであって欲しいです(切実)!
では、また。
どうぞ、遊びにおいでくださいまし♪
by Echidna (2007-02-14 22:43)