SSブログ

アラタカンガタリ完結によせて(犯罪加害者に都合のよいファンタジーでした) [徒然なるままに]

まあ・・・・・・・・今までも「面白い」と思っていた作品が、作者統合なのか編集部都合なのかストーリー自体が捻じ曲げられたり、伏線回収ゼロだったり、矛盾だらけだったり、納得できない作品は、それはもう・・・・・・・・・・・・・・・山ほどありました。
今だって完結していない作品とか、ああ、これ完結ってないんだろうなあという無駄な長期連載もあったりします。

なので別に「アラタカンガタリ」だけが「特別にダメ」というわけではないのですが・・・・

にしても「いじめ(犯罪)加害者」ばかりを「擁護」し「救済」し、「被害者はそれを許すべき」としか言えないエンドには、流石に「・・・・・まあ・・・・・・仕方ないか・・・・作者ご贔屓キャラのためのご都合だものね」とのため息のみでした。

いや、いいんですよ?
最初から作者は「いじめ加害者(犯罪加害者)の門脇」が大好きでしたから、門脇救済物語なんだろうなというのは、ある程度予測はしていました。

しかし、「いじめ(暴行・傷害etc、それも集団での首謀者)」が最後に「いじめ自体なかったことにできる」ということで救済するというのは・・・・・(いじめた当人の門脇は、自分で「罪は許されないと思う」とか言ってるけど、社会的制裁は何一つうけてないわけで・・・何が本当の意味で「悪かった」のか自覚してるのかさえ、わからんし・・・)

他のキャラでも「領民を迫害し続けた悪役たち」が「それらがなかった(タイムリープ的手法により)」ということで、同じく「無辜の民を数多殺害しつづけた」ことそのものが「なかった」ことになるというのはもう・・・・・

そして主人公は『自分がいじめられて悲酸な目にあったことは忘れないけれど、加害者を仏のような心で許し、あたかも全て忘れたかのように振る舞う。それが加害者の望みだから』というエンド。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少年漫画でここまで「犯罪加害者のみ救済する」という話は、流石に初めて見ました。

話の伏線やら、結局あれこれどうなったんだ?がないのは、まあ、打ち切りマンガによくあることなので、15年も途中の長期休載も挟んで「とにかくエンドつけました」というだけなのだから、そのあたりはもとから期待していなかったので特に感慨もないのですが。。。。。。

これ読んで「良かったね!」って素直に思える人、いるとしたら「加害者は環境によって致し方なくしてしまうものであって、被害者は許すべきなのだ」という「宗教(?)」的な特殊な価値観の方なんだろうなとしか思えませんでした。

サンデー編集部も、「もういいや、ラストさえ書いてくれればどうだって」と、ものすごくなげやりな感じが透けて見えましたし。

にしても・・・・・門脇は最後まで意味不明でした。

敢えていうなら「革のことが好きすぎて、いじめてしまってごめんなさい。今度は最初から出会わない世界に行きたいです」ということで「救われた」ということ?なんですかねえ・・・

本人は覚えているといっても、罪の意識はあるとしても、事象としては「革が門脇にいじめられなかった世界」に改変することで、門脇自身は「救われる」ということらしいので、なんて犯罪加害者に都合の良いファンタジーだったことかと。

世界観も、ファンタジー要素ふっとばして「とにかく門脇が犯罪をしていない世界構築」こそが、最大のファンタジーだったなと思った最終回でした。
ついでに、他の加害者連中もみんなほぼほぼ同じくタイムリープと世界改変によって「自分のやらかしをなかったこと」にできているから、なんてファンタジー!!!!

作者的には「実際には、こんな風に世界を改変して、時間軸ごと変更できないからね」とのメッセージを伝えたかったのかもしれないのですが・・・・

いや、びっくりしました。

ちょっと理解に苦しむというか・・・・何が何だかというか・・・・・・・

まあ、「門脇が革をいじめるのがエスカレートしていったのは、革が本気で抵抗しなかったから」とかなんとかでしたから、「軽~~~~く」ごめんなさいなかったことにしてください。でいいんですかねえ・・・・・・

連載当初は荒があっても、勢いとキャラの魅力で楽しかった分、ラストが「犯罪加害者は救われるべき。被害者は許すべき」としか思えない主張まみれっぽい宗教じみたエンドだったのは、いろんな意味で残念でした。

いや、もとからこういうラストにするマンガだったのを「違う方向」を望んでしまった読者のエゴゆえに、残念に感じるだけかもしれないですが。

しかし、いいなあ・・「やってしまった、とりかえしのつかない事象をなかったことに改変できるファンタジー」って。

うらやましい。世の中の加害者は全員この世界では救われるのですから。

被害者は置き去りですけどね。(被害者視点がほぼないから、そもそも被害者救済はどこにもない)

不思議な「少年漫画(?)」でした。

個人的には、それなら最初から「加害者視点」で描いた方が「ピカレスクロマン」的で良かったのでは?とかも思いますが。

「なぜ、彼は加害者となったのか?」というところから語られる「Helck(ヘレク)」とか「はめつのおうこく」とか・・・・そういうダークファンタジーもあるわけで。

でも、やっぱり「かけっこで相手が本気を出してくれなかったから、集団で暴力沙汰のいじめをするようになりました」という門脇のあの心理からだと、それも難しいかな?

「好きすぎるからいじめました。好きすぎるから殺そうとしました。ごめんなさい」ってだけだしなあ・・・・門脇の心理って・・・・

ストーカー加害者側の心理は分かりにくいから、難しかったのかな。
特に少年漫画では。
それもサンデーは「良い子」向けですしね。

編集部の皆様もお疲れ様でした。
というか・・・最初から「門脇救済物語」と分かっているなら、連載開始自体認めなければ良かったのに、そこは編集部の怠慢だろうと思います。

作者は描きたいものが好きに描けて良かったかもですが、ジャンル「少年漫画」として「?」なものをスタートさせて、最後は作者の好きなように「読者を丸無視」で書かせた編集部のいい加減さこそが、なんだか絶望的ですね、さすがサンデー。

サンデーは、なかなか「ラストまで良かった」とならないのが多い。
ジャンプ、マガジンも「無駄に長期連載させて、駄作と成り果てたとか多いですが、編集部がどこも仕事してないのかなあと思うこと多々ありますね。

どこもかしこも・・・・「編集部はエラそうにしてる割に、なにしてんだ?」なのは今も昔もなのかな。

その中でも、ほんと~~~に「いじめ加害者救済」エンドな「アラタカンガタリ」は「もうちょいなんとかできなかったのか?」と。編集部にこそ文句を言いたい。

いじめ加害者、犯罪加害者が「加害事実のなかった世界にできます」なファンタジーなんぞ、誰が求めるか!!!!!!!

・・・・・以上、個人の見解につき、異論反論はいくらでもどうぞ。
あくまでも、これは個人の見解ですから。
違うご意見はあって当然と思いますので。

ある意味、腰を抜かしたエンドではありました。

サンデーうぇぶりで今も無料で掲載中。
11/14までは見られるのかな?

ご興味ある方は、どうぞ。ただし、気分悪くなるかもしれないので、要注意。

https://www.sunday-webry.com/episode/14079602755386569921

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。