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ロスキャン外伝最終巻とファサード最新刊、更には暗殺教室を、いみじくも読み比べ・・・ [聖闘士星矢ザ・ロスト・キャンバス冥王神話]

今更ですが、「暗殺教室」の最終巻
最終回はとっくにジャンプ本誌で読み終わっていて、「うん・・・いい話だった」としか、いいようのない見事なラストだったわけですが、正直なところ「・・・・番外編の方は、いらんかったような・・・・・」でした(^_^;)

「卒業の時間」は、「その後の皆様」のことが色々とサービスてんこ盛りで良かったですがvv
(・・・でも、ビッチせんせ・・・・烏丸イリーナになるまで随分、「待て!」だったんですね・・・しかも、
これが単に「日本国籍取得のための方便だけ」だったかもしれないとの可能性も否定しきれないと思う私は勘繰りすぎでしょうか・・・だって・・・・最終巻の2人の感じからすると、「なんかまだ(色々と)」な感じが!)


暗殺教室 21 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 21 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 松井 優征
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/04
  • メディア: コミック



卒業アルバムの時間 暗殺教室 公式イラストファンブック (ジャンプコミックス)

卒業アルバムの時間 暗殺教室 公式イラストファンブック (ジャンプコミックス)

  • 作者: 松井 優征
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/04
  • メディア: コミック






でも、作者の松井先生の「先生を生徒が殺す話」が最初に浮かんだ時、すごく悲しい話になると思いながらも、「目をそらさずに描き切れれば、皆の心に残る話になるだろう」と思って描きましたというのは、ものすごく心に響く言葉でした。

暗殺=弱者がどうやって「どうしようもない強者を相手に生きていくか?」というテーマで、更には、「先生を殺すしかない」という「最大のどうしようもない(自分達では)」の場合に「世の中なんか、こんなもんだ!」と思って、そこは「やりすごし」て、また「なんとか出来るようになるまで、まずは生き延びる」ということが、「厳しいマンガ業界での世界」で生きている方ならではだなあと、つくづく、どこまでこの人は・・・!と思い知らされつつ、良いマンガをありがとう!と素直に思うエンドでした。

・・・・時々、なんか評論(?)の方で「生徒が先生を殺すなんて!」的な妙な反論的なものを見かけなくもないですが・・・・いや、それ「どうしようもない」ことの最たるもので、話のモチーフだから・・・そこは読解してくださいな・・・・とか思いつつ(^_^;)・・・・・・(だって、命の重さを正面から伝えるマンガだったんだから、素敵に殺せんせーが助かるなんてエンドはありえないんですもの・・・と思うのですが・・・・)

と、これは暗殺教室という「少年漫画」ならではの「爽やかなエンド」だったわけですが、
ちょうどこのところ6月に発売されました、篠原烏童さんのファサード最新刊と、手代木さんのロスキャン外伝最終巻。

これがまた「命とは?」「人間とは?」と問いかけるという意味では、奇しくも、どこか通じるテーマでした。

以下、一応ネタバレ含むので折り返します~~~~



ファサード (17) (ウィングス・コミックス)

ファサード (17) (ウィングス・コミックス)

  • 作者: 篠原 烏童
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2016/05/25
  • メディア: コミック




聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 16 (少年チャンピオン・コミックス)

聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 16 (少年チャンピオン・コミックス)

  • 作者: 手代木史織 車田正美
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2016/06/08
  • メディア: コミック



聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話外伝 15 (少年チャンピオン・コミックス)

聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話外伝 15 (少年チャンピオン・コミックス)

  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2016/03/08
  • メディア: Kindle版


基本的には、レビューで描かれている通り「本家を超える奇跡のスピンオフ」と言って良い出来だったと思います<ロスキャン外伝のラストのストーリーの締め方など特に。


とはいえ、少々違うのが、流石の篠原さんの作品が「祈るように」「人間というものに、魂が乾くような絶望を抱きつつも、『絶望しきれない』ファサード」の心が痛いほど伝わってくるのと、比較的評価としては、どうしても辛くなりますが「人間」に絶望する「人間」を「あっさり描いてしまう手代木さんそれぞれの持ち味というところでしょうか。

こればかりは、生きてきた時間や、描いてきた作品の数やキャリア・・・・それらによる力量の差だろうとしか言いようがないわけですが(加えて言うなら、どうしても『あの車田世界をベースにした場合、あれこれ細かいことに突っ込むとキリがないので、楽しむなら、ざっくり見て楽しむべし!!!という法則に支配されているロスキャン手代木ワールド・・・・の限界かもしれません)

とはいえ、双子じーじ大好きな私としては、「おお!!! 17歳のセージ様・・・(美少女にしか見えん)」とか「ええええ? セージ様・・・教皇のマスクに『呼ばれて(つか、あの兜にまで意識があるんか!)10代で教皇になった上に、聖戦を教皇として戦ったの・・・ロスキャンで二回目だったってこと!?!?」とか。

十分、色々楽しませていただきましたので(・・・ちょっと巻末の血液型情報などで、思いっきり誤植があって、ハクレイじーじとセージ様が、これだと双子じゃなくなりますが?? なものがあったりとか、色々でしたが)ともあれ「セージ様が、ハクレイじーじにとって『一番大事な愛しいものだったに違いない(※後に現れたマニゴルドは、別の意味でハクレイじーじのお気に入りというのが当方の設定ではありますが・・・)』」という、とにもかくにも「兄上に愛されまくりの、お澄まし美人さんなセージ様がたくさん見られて良かった」です。はい!
(え?? 他にコメントは?って・・・いや、すみません・・・細かいとこはツッコミどころは、色々に色々にあまりに・・・多すぎで・・・。特に、先代教皇様・・・なんで、双子神ごときの姦計にはめられて洗脳されてんですか!とか・・・・そんな教皇様好きすぎで、冥界羊になっちゃった黒歴史なアリエスさんとか・・・・・・アリエスって・・・色々と手代木ワールドでは呪われてる???とか思ってしまったではないですか・・・(^_^;))


これに対してのファサード最新刊なのですが、
・・・ええと・・・エルサレムでの十字軍とサラディンの話から、突然「何故、宇宙!?!?!?!」とは思いましたが、相変わらず「人はどうして戦わないことを選べないのだろう」という、切ない祈りは十二分に伝わり、また、そうした「愚かな人間」について「絶望」しそうになりながらも、ほんの1滴の「小さな希望のような、小さな友人の小さな優しさ」に魂が癒され、「人間に絶望しきれない」という・・・・ああ・・・・もう・・・深い・・・
篠原さんという方は「私にとってマンガを描くということは、祈りと同じことで」というまさに、その世界でした。

根本的には「人は、どうしても戦わないわけにはいかないのだろうか?」ということへの篠原さんの長い間温めてきている「祈る思い」の強さの違いかなあ・・・と思っております。

手代木ワールドでは、どうしても「人が惑う、間違えてしまう」ことへの描写は絶妙なのですが、他方でどうしても「人を愛しむが故に、誤ってしまう」ということが、今、まさに、ISなどで顕在化している「正義」や「これが愛なのだ」と思うこと自体が「純粋な想いを、間違った(他の価値観の人間にとっては少なくとも、たとえば、過去の十字軍など、キリスト教徒という名の強盗集団にしか他ならなかったわけですし)」という危険性については描かれつつも「そうした危険性すらも乗り越えて欲しい」という点については、作者にそこまでのメッセージは思い至るのが難しいのか、描きにくいのか・・・・「命は尊いのだ」という一言でまとめてしまうのは、少々、ものたりなくなってしまうところが残念なとこでもあります(でも、その「心弱い人間の弱さの表現は、本当にピカ一で素晴らしいと絶賛するしかないのも確かなのですが)

暗殺教室では「殺せんせー」を結局「生徒が殺すしかない」という絶望に突き落としながらも、「しなやかに」その「絶望」から生徒達は乗り越え生きていく。

ロスキャンの場合は・・・「このしなやかさ」についてが、どうしても最後まで「絶望した人間は、絶望したままにどこまでも深淵に落ちていく」という方向性が強いのが、良いというか微妙というかなのですねえ・・・

いや、作品としては十分面白いので、そこは否定する気はないのですけど、あと一押し・・・
出来れば、ロスキャン本編でのテンマとアローンとサーシャの関係のところで描いて欲しかった!!!とは今でも残念に思えてならないところではあります。

しっかし、セージ様・・・お疲れ様でした・・・な話でもありました最終巻(^_^;)

話の視点は「アルターのハクレイじーじ物語」と言ってもいい感じでもあったのですが
・・・・昔から自由奔放な兄が、好きに動くせいで、なんとまあ・・・最大の貧乏くじとしか言えない「教皇」を17歳で継ぐなんて羽目にあってるのがなんともはや・・・・

良くまあその後、二百数十年もの間、色々と内部粛正も(・・・組織だから、時々そういうこともあるわけで)したりしながら、あの「細やかで優しい人」が、精神破壊されることもなくやってこれたものだと。
(・・・唯一のおそらく失敗(?)は、最後の最後にたった一人自分の弟子にと認めたマニゴルドが大事すぎて、マニゴルドの死のショックに耐えられなかったというぐらいでしょうから・・・ええ、セージ教皇の失策って・・・。なんせ、セージ様お亡くなりの途端に、あっさりハクレイじーじは、補佐の任務放棄して、後追いしたようなもんですからね~~~~~あの自由なじーさまは!!! セージ様は、自分の後は、ちゃんと兄上が、教皇をやってくれると信じていたと思うのですが!!・・・・セージ様のことが好きすぎる兄と、弟子に挟まれて、イマイチ、他人の好意に疎いというか、自分の心を殺しすぎなセージ様の唯一の弱点といえばそうでもあるわけですけど・・・)

でも、どれだけ「人が心弱く、それゆえに道を誤り、罪業を重ねても常にそんな『人間』を愛して慈しんできた」のだろうな・・・セージ様は・・・とも思う最終話でもありました。

セージ様の前のイティア教皇は、どっちかというと・・・・「人々が平等に助け合う理想郷」を目指しすぎた挙句に「そんな理想は無理なんじゃ」というある意味当たり前のことに「絶望」しちゃった挙句に、双子神の罠に落ちて「黄金聖闘士全員洗脳して、地上の人間は全員悪だから、これを矯正する!!そして平和にする!」という・・・・・

・・・・・・・・・・・どこの「マルクス・レーニン主義者ですか、アナタは!!!!」な、ことに死期を前に陥ってしまったわけですから・・・・まあ・・・「良き方でも、そういう夢想に取りつかれると、最悪なことになる」ということを17歳のセージ様が目の当たりにしたことが、逆にその後に「どれだけ聖闘士であろうが、想いが純粋であるほどに何か間違うことがある」と知っていて、そして「間違う道が、場合によっては教皇としては処断するしかない」という大変な労苦を背負いながらも、「ありえないユートピア」ではなく「現実的に自分が出来ること」をひたすら続けてきたのだろうなあ・・・と思うと、イティア教皇のご乱心は「ソ連の崩壊という壮大な実験と悲劇」にも通じるものがあり、意味深でもあるのですが。

まあ、実際のところ・・・・「教皇」だって出来ること、出来ないことあるわけですよね。

ファサードなんかだと、そのあたりの表現が絶妙で「サラディン(※ファサードが邂逅しているサラディンは、ちょっと違う世界のサラディンではありますが)」が「異教徒とでも、なあなあでやっていけてたんだがなあ」「なあなあでいいんですか?」「いいんじゃないか?」という・・・・「どっちが正義か白黒つけましょう!!!」ではなく「なあなあ」でいいから、つかの間の平和を・・・という柔軟思考・・・でも犠牲はあるけど・・・絶望もあるけど、たった一人の優しい心に触れるだけで、人は魂が癒され、そして「やっぱり、人に絶望しきれない」というファサード世界。

どちらも良い話ではあるのですが、この「だから、私は人に絶望しきれないのです」という「しきれない」という表現を用いた篠原ワールドに、やっぱり私は「うん、そっちだよね!!」とか思ってしまったりもしたのでした(^_^;)・・・・命は尊いという抽象表現ではなくて・・・・・より深みを感じるという意味で・・ですが。

なお、個人的には、「アラタカンガタリ」も「12国記」に通じる、ある意味「惨い設定だなあ」とか思いながら、現在も原稿と格闘中です。

いや・・・こっちも、少年漫画なので、細かいアラには目をつぶって!! でいいといえばいいんですが・・・

ただ「神に選ばれてしまうと、そのまま時が止まり、神の力を使う存在として救済もできるけど、人の精神は脆いから、うっかりすると世界をも壊してしまう」っていう設定自体がね・・・・残酷だなあと・・・

でも、「デビデビ」の世界でも描いては来たのですが(実はオリジナルの方でも・・・)
「多分、一人だと耐えられない。でも・・・支えてくれる存在があれば・・・」というのが、
当方のおける「永遠もの命を生きなければいけない神様的存在の救いの道」だったりします。

そして、更には「そして、どんなに長くても最後には終わりはある」けど、それはまた「そして続く」という始まりの物語という。

・・・・・・という色々なものをてんこ盛りに突っ込んで、アラカンのクグ革も、デビデビも、ロスキャン、オリジナルも書いて描いて「どうやったら伝わるんだろう?」とは、いつも思うので、あがいてそして・・・締切が・・・(吐血)

まあ、締切があるから、そのギリギリに信じられない力が出るのもあるので、きっと上達は少しはしてるはずと信じて、今日も・・・ああああああああ! webの更新は止まりまくりですが! でも、あの! 見えない努力はしてますので、ご容赦を~~~~!!!!!(・・・・という意味では、ちゃんとエンドつけた手代木さん・・偉大だと思います。本当にお疲れ様でした!色々、ツッコミもしてますが、好きですよ、ロスキャン!!! 星矢の原作がより楽しく読めるようになったのは、最大の功績だと私は思っておりますとも!!!)

なお、「不老不死」の苦悩といえば、最近のジャンプでの「銀魂」の「虚」さん。
・・・・うわ~~~~~~~~~~~~作者・・・・・・・また果敢なテーマに突っ込んで・・・・
と、ギャグとシリアスを混ぜ混ぜしながらも、しっかりとメッセージのあるこちらも、愛している私なのでした。
(好きなものが多すぎる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、で、更新が止まっているわけでもないのですが・・・あはあはは・・・・)

脱兎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(追伸)自分のブログで発信した発言には、発言者としての責任は取る覚悟はいつもございますので、異論反論、あるいはツッコミなんでも常に歓迎です。
なお、セージ様については、自分では書きませんが「アスプロス×セージ」とか「ハクレイ×セージ」とかも、普通に読みますし好きです(・・・単に、ご老体のセージ様を受側にして「書く」のを躊躇するのは、なんか老人虐待???なイメージがうっかりしてしまうのと、当方のマニゴルドがあんまりにもセージ様に片思いしまくりで、『あんたについてって良かった!』だけで散華してしまったのが切なすぎて、それを幸せにしたかったもので、自分で書く裏聖域の世界では、セージ様はマニゴルドのダンナ様になっていただきました!!!はい!もう、単に、マニゴルド救済を言っても過言でありません! あと、セージ様は、多分教皇時代は絶対自分の心を殺しまくっていて、自分がマニゴルドのこと特別に愛しく思っていることすら気づいてなかったろうなあ・・・っていう悲劇救済でもあります。悪しからず~~~~~~~~~~~~~~・・・・・そんな当方の『遥かなる』夏コミもっていきます・・・冊数そんなに持ち込みませんので、ご希望の方は、事前にご連絡いただければ、午後ゆっくりお越しでもお取り置きしておきますので、ご連絡くださいまし(・・・でも、ロスキャン新刊までは手が回らないと思います・・・すみません・・・・アラカンだけで今は精いっぱい・・・吐血)

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