SSブログ

つらつらと、今更・・・かもしれませんが [シムーン]

シムーン

あの不思議なアニメ

やっぱり心に残るなあと。何が? と言われても、なんだか今となっては『不思議』としかいえないところもあるのですが、やはり、一番インパクトがあったのは、徹頭徹尾

美しければそれでいい!

というテーマソングの通りの、少女たちというか・・・それぞれの生き様の美しさを追及したようなアニメでもあったなあと。

一見『百合エロアニメか!?』と見せかけてておいて、中身は『白虎隊←スタッフの方が公式で語っていたのですから、嘘ではありますまい』という、異色なアニメで、デザイン的な美しさを裏切るハードな内容で、でも、やっぱり突き詰めると『美しさ』なんですよね。このアニメ。

生き方や、生き様や、そうした色々な。

その中で、戦争という苦境で翻弄される少女たち(これが美少女ばっかりというところが、素晴らしいのですが、同時に切なくもなるのですね。こんな可愛らしい子たちが・・・と。でも、これ、YAMATOの映画を見た時も思ったのですけど、美少年、美青年が戦争で散っていく。これは、画像的に問答無用に『戦争って・・・・・・・・・・・(涙)』になる効果があるのだなとも思ったりしたものでした)。


でも、まあ・・・そうした外側の部分はおいておいて(いえ、外側の美少女たちのあれこれも充分素敵なのですが)、やっぱり一番の不思議な存在は、あの中での旗艦アルクスプリーマの艦長たるアヌビトゥフと、シムーンという最強飛行兵器を操る巫女たちの統括官たるグラギエフの二人だったなあと。

ええ、まず

①百合・・・美少女アニメのはずなのに、何故か、この「大人の男性二人組」の人生が全てある意味描ききってある!

②女性として全員生まれてくるという設定上、この二人も昔は美少女だったということで、そういう設定もしっかりある。

③そして、主人公のアーエルとネヴィリルの二人の少女は、『敗戦の結果として無理に大人にされるのを嫌がり、ただそれだけの理由で、どこか別の時空へ』と飛び立つのに対し、他の少女たちは『大人』を選ぶ。
同時に、その『大人』としての責務や、どうあるべきかの背中は、いつも、アヌビトゥフとグラギエフが指し示していた。

つまり、どう見ても・・・表の主役がアーエルとネヴィリルだとすると、影の主役は、この話の根幹を支えていた『アヌビトゥフとグラギエフ』に見えてならないんですねえ・・・・。

だって、白虎隊だって、少年たちは翻弄されて痛々しいですけれど、話の基軸はやっぱり大人たちでしたし(当たり前ですが・・・)。

そして、その大人たるアヌビトゥフとグラギエフの二人の生き様は、最初から最後まで、一貫して『国を護る』というよりも『この空を、故郷を、そして、後輩とも言えるシムーンシヴュラたる巫女たる少女たちに自分達と同じ思いをさせまい』というために戦っていたのではないかなと。

シムーンのストーリーそれ自体は、あろうことか旧日本軍ではありませんが、主人公たちの国の敗戦で終わりを告げますが、でも、アヌビトゥフとグラギエフの戦いは多分この後も続くんだろうなと思わせる不思議な話でもありました。

ある意味「少女」というモラトリアムのまま、遠くへ行ってしまった主人公たちと、対照的すぎる二人。

鮮やかなコントラストだったと思います。

最後の最後まで、音楽もまた見事で!

少女は踊るだけ。美しく夢見るように。

でもOPにあるように、「未来と指切りするのをやめたのは、痛みから遠く逃れようとしても、冷たい風がほら髪を揺らすよ、どこに答えを探せばいい?」とあるように、『どこかにある未来』を夢見ても、それは手に入らないと、突き飛ばしているような、そういう厳しさもあったアニメだなあとも思えてなりません。

選択とは可能性を狭めていくこと。でも、選択していかなければ、多分進めない。後悔しても選択していくのがおそらく人生というもの・・・。
そんなメッセージがなんとなく今も残るアニメなのでした。おかげで、今も囚われたままです(笑)

そんな魔力のあるアニメです。


Simoun (シムーン) 1

Simoun (シムーン) 1

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



Simoun(シムーン) 6

Simoun(シムーン) 6

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0